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音楽の話。from:tokyo, japan

yotsuya tea party vol.12



四谷の喫茶茶会記で行われたイベントに行ってきました。

「益子博之×多田雅範=四谷音盤茶会 vol. 12」
概要:今回は、2013年第4 四半期(10〜12月)に入手したニューヨーク ダウンタウン〜ブルックリンのジャズを中心とした新譜CDのご紹介と、2013年 年間ベスト10の選考結果を発表します。10年代に入って4年目を迎え、周辺領域との境界はますます曖昧になり、スタイルのポップ化は更に進んだように感じます。

今回はゲストに、ドラム&パーカッション奏者/作曲家の外山 明さんをお迎えすることになりました。ジャズに留まらない多彩なプロジェクトに参加する一方、毎年のようにアフリカを訪れ、現地のリズムに慣れ親しんできた外山さんは、現在のNYの動向をどのように聴くのでしょうか。お楽しみに。(益子博之)


新譜CDのなかにはギタリストが多くて、
Jakob Bro 『December Song』 (Jakob Bro、Bill Frisell)、
橋爪亮督グループ  『Visible / Invisible』 (市野元彦)、
加藤崇之 『七つの扉』 (加藤崇之)、
Mary Halvorson Trio 『Ghost Loop』 (Mary Halvorson)、
Ben Allison 『The Stars Look Very Different Today』 (Brandon Seabrook、Steve Cardenas)、
rabbitoo 『National Anthem of Unknown Country』 (市野元彦)、
と、自分がギターなので個人的には大満足。


でも今回一番興味深かったのはゲスト、外山明さんの解説でした。
各CDへ歯に衣着せぬ鋭いコメントをばんばん出すだけでなく、自分が演奏の中で考えていること、音楽観、リズム考からミキシング、コンプレッサーのかけ方といったレコーディング方法についてまで沢山のお話が聴けました。特にレコーディングの環境、ミキシングで現場の空気を再現することについてはかなり研究しているのだなという印象を受けました。


新譜作のなかで僕が一番おもしろいなと思ったのはKris Davis 『Massive Threads』が断トツでした。
プリペアド・ピアノを使ったソロなんですが、いわゆる即興ものよりもずっとミニマルミュージック的でそれでいて即興演奏の突き抜けるところもあるという。
これには外山さんもついつい机を叩いてセッションしてました。
個人的にはスティーブ・ライヒ『Drumming』のピアノバージョンのような印象。


ギタリストに関してはJakob Bro、Bill Frisell、市野元彦っていうメンツのつくり出すドープで浮遊感のある即興と、加藤崇之、Mary Halvorson、Brandon Seabrookあたりの即興の組み立て方というかアイディアのもとが大きく違っているなという印象を受けました。後者に関しては僕はどうしてもDerek Bailey高柳昌行を思い起こしてしまいます。(僕はどうしてもMary Halvorsonが初期の高柳昌行に聴こえる。すごく。)


あとは、おととしAaron Parks TrioのメンバーとしてThomas Morganと来たのを観たけれどその前もその後もほとんど名前を聴くことがなく気になっていたドラマーのRJ Millerのリーダー作が聞けたのが良かったです。
菊地雅章のバックをつとめたりしているらしいですが、新譜はかなりエレクトロでアナログシンセサイザーの反復とドラムっていう。
でも益子さんには悪いけど僕はそんなにハマりませんでした。
RJ Millerが気になる方はAaron ParksのBandcampから前述のトリオの音源がフリーダウンロードできるので聴いてみたらいいんじゃないでしょうか。


年間ベストでは僕とかぶってたのはDerrick Hodge『Live Today』だけでしたね。
聴いたことがなくて気になったのはThe Claudia Quintet。
Portico Quartetのようなミニマルな感触だけどもうちょっとジャズっぽいところもあってこれはチェックしようと思いました。


最後にKris DavisとThe Claudia Quintetの音源貼っておきます。