maigo-music

音楽の話。from:tokyo, japan

2013年のベスト候補と村井康司『JAZZ100の扉』



気づけばもうあと1ヶ月で今年も終わってしまうわけで

12月にはこのブログ上で今年のベスト企画をやろうと思っているので今回はその候補を。
言うほど聴いてないんですけど僕はやっぱりジャズが好きみたいです。
僕の偏った音楽志向性がmaigo-musicです。





それとこないだ出た村井康司さんの『JAZZ100の扉 チャーリーパーカーから大友良英まで』
がとっても良かったので紹介を





『JAZZ100の扉 チャーリーパーカーから大友良英まで〈いりぐちアルテス004〉』
村井康司
アルテスパブリッシング (2013/11/19)
→Amazon






僕はディスクガイド的なものってあんまり読まないんですけど、これは面白かったです。

歴史にそってアルバムが並べられてる訳なんですけど、これまであんまりこういう本に登場しなかった、あるいは同列で並べられることのなかった阿部薫高柳昌行『集団投射』、山下洋輔トリオ『キアズマ』、大友良英New Jazz Orchestra『Out to Lunch』、DCPRGとかの日本のフリージャズ・シーンが紹介されていて、今まで自分の中でも位置づけがよくわからなかったところに一つの回答をもらった気がします。

またウィントン・マルサリス以降のジャズってあんまり語られることがないというか、いわゆるブラッド・メルドーなど90年代組以降のジャズとかマリア・シュナイダー、クリス・ポッターについての記述ってあってもいまいち古臭かったりしたんですが、そこが紹介されているのは良かったです。
このあたりが今ライブをしている世代だし、日本でも見れる世代だからここを紹介しないとなかなかライブの楽しさって伝わらないものの気がします。(といってもJoshua RedmanKurt Rosenwinkel、Mark Turnerあたりは登場しないんだけれども)

あと個人的にはJohn Zornの『Naked City』、Paul Motian Trio、も含めてBill Frisellが評価されているのがファンとしては嬉しかったです。(Frisellについて「こんなの聞く人が不憫。バレル聴けよ」みたいなこと書いてた吉祥寺の某ジャズ評論家もいました。)

でもこの本の何がすごいって「読んでるとジャズを聴きたくなるところ」です。
たのしそうな文体でああこの人はこのアルバム好きなんだなぁというのが伝わってくる文章でした。


明日は四谷いーぐるにこの本の出版記念イベントに行ってきます。

いーぐる後藤の新ジャズ日記より

第516回 11月30日(土) 【15:30より】

村井康司・新刊出版記念イヴェント

この度、『JAZZ 100の扉』(アルテス・パブリッシング)という本を刊行しました。ビバップから21世紀ジャズまで、100枚のCDを選んで好きなことを書いたもの。各アルバムには、関連作2枚を参考として挙げてありますので、300枚のアルバムを紹介しました。巻末にはピーター・バラカンさんとの対談が掲載されています。ゲストに音楽評論家の湯浅学さんをお迎えして、本に掲載されている作品から二人がセレクトした盤をかけてお話ししようと思っています。当日は本の即売も行います。ご参加をお待ちしております!

                       解説 村井康司  湯浅学




2013年のベスト候補


□Jazz
・Aaron Parks 『Alive in Japan』
・Avishai Cohen Trio 『Night of Magic』
Chick Corea 『The Vigil』
・Chris Dave and the Drumhedz 『Chris Dave and the Drumhedz Mixtape』
Christian McBride 『Out Here』
・Derrick Hodge 『Live Today』
・Edword Simon 『Live at Jazz Standard』
・Fred Hersch & Julian Lage 『Free Flying』 
・New Gary Burton Quartet 『Guided Tour』
・Gilad Hekselman 『This Just In』
・Gregory Porter 『Liquid Spirit』
・Gretchen Parlato 『Live in NYC』
・Jose James 『No Beginning No End』
・Kendrick Scott Oracle 『Conviction』
・Robert Glasper Experiment 『Black Radio 2』
・RUSCONI 『Revolution』
・Sam Crowe Group 『Towards the Centre of Everything』
Wayne Shorter Quartet 『Without A Net』

□Other
Atoms For Peace 『AMOK』
Boards of Canada 『Tomorrow's Harvest』
Daft Punk 『Ramdom Access Memories』
・Disclosure 『Settle』
・Drake 『Nothing Was the Same』
Eminem 『The Marshall Mothers EP 2』
・James Blake 『Overgrown』
・Jay Z 『Magna Carta... Holy Grail』
Kanye West 『Yeezus』
Phoenix 『Bankrupt!』
・Talib Kweli 『Prisoner of Conscious』
・Tyler, The Creator 『Wolf』
・Tedeschi Trucks Band 『Made Up Mind』
・Vampire Weekend 『Modern Vampires of The City』

□Japanese
・BYEE the ROUND 『GOOD BYEE TO YOU』
・the cabs 『再生の風景』
cinema staff 『望郷』
・Jizue 『Journal』
the HIATUS 『The Afterglow Tour 2012』
the HIATUS 『Horse Riding EP』
KANA-BOON 『僕がCDを出したら EP』
・kemu 『PANDORA VOXX complete』
・KEYTALK 『One Shot Wonder』
・KIYOSHI SUGO 『All In Black』
・Last Note. 『first trip』
・LITE 『Installation』
Lyu:Lyu 『君と僕と世界の心的ジスキネジア』
・Neru 『世界征服 Feat. 鏡音リン・レン
・Nothing's Carved In Stone 『REVOLT』
Predawn 『A Golden Wheel』
・Serph 『El Esperanka』
UNISON SQUARE GARDEN『Cider Road』
・じん(自然の敵P) 『メカクシティレコーズ』
土岐麻子 『HEARTBREAKIN'』
東京スカパラダイスオーケストラ 『Diamond In Your Heart』
凛として時雨 『i'mperfect』