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音楽の話。from:tokyo, japan

BRAIN FEEDER 4

BRAIN FEEDER 4
2014.05.23 @新木場ageHa
artists : Flying Lotus, Thundercat, Captain Murphy, Taylor McFerrin, Teebs, MONO/POLY and more.....

新木場ageHa(僕としては新木場Studio Coastの方が馴染み深いんだけど)で行われたLAのプロデューサーFlying Lotusが主辞するレーベルBRAIN FEEDERのイベントに行ってきたのでざっくりとレポート。

 

 
僕のお目当てとしてはなんといってもFlying Lotusと、BRAIN FEEDERの新人でありジャズ・ボーカリストBobby McFerrinの息子のTaylor McFerrinでした。(Taylorは今月でたデビュー作『Early Riser』が素晴らしかったのでそれは別に記事を書こうと思ってはや数週間)

イベント自体は多ステージで同時進行していたんですがここではメインステージのTaylor McFerrin以降の流れに沿って行こうと思います。

Taylor McFerrinのステージはフェンダーローズとサンプラーという彼自身のセットにプラスしてなんとアルバムにも参加していたジャズドラマーMarcus Gilmoreがドラムで登場。
MarcusはVijay Iyer TrioGilad Hekselman Quartetのレギュラードラマーであり、Chick Coreaの去年作『The Vigil』にも参加する若手の超人気ジャズドラマーで、今回はちょうどJoshua Redmanのバンドで来日していたところですね。ちなみにTaylorのアルバムには他にもRobert Glasperなんかも参加しています。

Marcusのドラムはジャズのステージでもどちらかと言うとシャープで鋭いドラミングが魅力的で、Chickの『The Vigil』なんかではChickがこれまで共演してきたドラマーと比較すると特にその点に耳が行くように思うし、Gilad Hekselmanの去年作『This Just In』の曲間の短いセクションなんかでは打ち込みのような鋭いドラミングとポリリズム(というかヒップ・ホップ的な"ズレ"ですね)を叩いているのも聴けます。

で、今回のステージではTaylorがサンプリングとロードでつくる波に対してMarcusが切り込んでいくところやMarcusがビートを刻みその上にTaylorがどんどん変化をつけてうねりを出していくなど様々に絡み合っていくのがとても面白く、普通のクラバーみたいな兄ちゃんが「あのドラマーやべぇ!」と声を漏らしていたのも納得。さらにTalorもローズで即興を重ねるんですがこれがフレーズとかよりも勢い重視みたいな逆にジャズマンには弾けないアドリブで興味深いものでした。たぶんこれがRobert Glasperだったら綺麗になっちゃうんだろうなっていう。


次がRobert Glasperらとも親交のあるベーシストでありボーカリストThundercat
彼のステージはキーボード、ベース、ドラムというバンド編成だったのですが、ここでのドラムがまさかのJustin Brown。彼もまたジャズマンです。
僕としてはThundercatのワミー(オクターブ上の音や下の音を重ねるエフェクター)が掛かった6弦ベースを弾きまくるスタイルはなんか「そういう系?」みたいな感じがしてあんまり好きじゃないんですが、、、、歌は素晴らしいと思います。でもこのバンドセットはSUMMER SONICとかに出てもおかしくないくらいのカッコよさでこれはクラブとかライブハウスでみたいなって感じでした。Justinも叩きながら歌ったり「そんなこと出来たの!?」みたいなプレイがたくさん見れて面白かったです。
ただ三拍子と四拍子を行ったり来たりする曲はクラブでは踊りにくいからかあんまりウケてませんでした。


そのステージに後半飛び込むように入ってきたのがFlying Lotusのラッパー名義Captain Murphy
もうフロアは「待ってました!」って感じで大盛り上がりで流石の貫禄と人気でした。
このステージはサンプラーなどは使わずにThundercatのバンドがバックを務めていたんですがキレッキレのバンドプレイ。Thundercat、ソロ弾きまくるよりこっちのほうが好きかな。


そして待望のFlying Lotus
サンプラーなどが並べられたスペースの前後に幕を下ろした映像も組合せてのステージは明らかに他のバンドよりも豪華で、フラッシュライトも炸裂しまくりなんだか3D映画を見ているような、体調がいい人も悪い人もトリップする仕様。
音はすごくドープ。ビートやレイヤーがすごく緻密で何やってるか分からないんだけどちゃんとフロアを盛り上げるところもあり、世界がぐにゃぐにゃと曲がっていくようなゆらぎもあり、僕としては「ああやっぱりFlying Lotusは別格だな」って思ってしまう程のステージでした。
後半Thundercatが出てきてビートに乗せて歌った一曲はイベント全体のハイライトだったと思います。

Flying Lotusがすごすぎてその後のDJは正直そんなに印象に残ってないのでレポートはこんな感じで終わりなんですが、本当にそれくらい彼のステージはすごかったってことです。
そしてやっぱりヒップ・ホップもクラブで聞いたほうが面白いなっていうのを感じました。

あと僕としては先日オーバードーズで無くなったJuke系のDJ、DJ Rashadの去年作『Double Cup』収録の「Pass the Shit」をFlying Lotusがサンプリングしてたところに深い意味を感じたりしてんですが実際どうなんでしょう?しかも"Ride it on, mothefxxker ride it on."のところだ。