maigo-music

音楽の話。from:tokyo, japan

雑記 2014.03.14.

ここ最近。







first:
2/7 Archer-Scott Trio feat.Fabian Almazan Live@新宿 Pit Inn
member.
Fabian Almazan (pf)
Vicente Archer (b)
Kendrick Scott (ds)

second:
2/28 Shai Maestro Trio Live@新宿Pit Inn
member.
Shai Maestro (pf)
Jorge Roader (b)
Ziv Ravitz (ds)

third:
Beck / Morning Phase (2014)
・Mehliana / Taming the Dragon (2014)
・Takuya Kuroda / Rising Son (2014)

last:
Maria Schneider Orchestra / Concert in the Garden (2004)
・Talib Kweli / Gravitas (2014)
・Maurice Brown / Maurice VS Mobetta (2013)
・patten / Estoile Naiant (2014)


2つのピアノ・トリオはとても対照的。

Archer-Scott Trioは、前半ピアニストFabian Almazanの静かなオリジナル曲が目白押しでしたが客がみんな眠そうだったので後半はばりばりのバップにシフト。2nd SetはKeith Jarrettの"Bop-Be"ではじめアンコールは循環の"The Theme"(たしか)で締めるというスタンダードを絡めたジャズマンらしい機転の効いたラインナップ。
僕としてはKendrick Scott Oracleの"Cycling Through Reality"のトリオバージョンが聞けたのが良かったです。何かの曲からのメドレーになっていたんだけどイントロのドラムから観客も「お?お?!」と盛り上がっていた様子を見ると、ファンがいるところにはいるんだなと。
ちなみにFabian Almazanキューバ出身のピアニスト。Kendrick Scott OracleTerence Blanchard Group、Linda Oh Groupなどに参加していて、今度Blue Noteからアルバムを出すみたいです。
その売り出しも兼ねていたんだろうけどオリジナルがあんまり出来なくて残念でしたね。でもピアニストとしての腕は抜群でした。


一方のShai Maestro Trioは、去年のアルバム『The Road to Ithaca』のアルバムメンバーでの来日。
この日のPIT INNはここ最近僕が行った中では一番と言っていいほどの大盛況でオープン前からお見せの前に人がいっぱい。最初から立ち見が出るほどでした。
アルバムの再現、ではないけれどもちろんアルバムの曲をなぞるように演奏しほぼ全曲Shai Maestroかメンバーのオリジナル。あとイスラエルの伝統音楽のようなものも。スタンダードは一切なし。
演奏はCDよりもずっとよくて去年のベストに上げたAvishai Cohen『Night of Magic』で聴かせてくれたようなダイナミクスレンジの広い抜群のピアノを聴かせてくれました。これでまだ20代半ばだといういうから信じられない。
そしてOmer Kleinのライブでも思ったけどイスラエルのピアニストはピアノ自体がものすごく上手い。
三連符の感じとかリズムの"訛り"が中東っぽさというかアクセントになっているなというのをすごく感じました。



写真下二枚の新譜・旧譜のなかではTakuya Kuroda『Rising Son』が今のところ一番聴いてるかな。
たぶんRobert Glasper Experimentやプロデューサー・シンガーとして参加しているJose Jamesの作品と並べて語られる気がするけれど僕はそれはいまいち腑に落ちないというかもうちょっと独自のもののように感じました。
一聴するとジャムバンドのような演奏だけれど"音を抜く"美しさが所々にみられる好作品だと思います。
このアルバムはリミックスも作ってるみたいで、そういったDJ向け・トラックメーカー向けっていう側面もあるのかなと。すごくサンプリングネタになりそうです。

Brad Mehldau&Mark; Guiliana『Taming the Dragon』は良いんだけどこれはきっとライブで見たほうが面白いんだろうな。
ちょっと後半ダレてしまうというか飽きてしまう感が否めないです。

patten『Estoile Naiant』は完全にWarp Recordsというレーベル買い。最近のWarpはハズレないです。
たくさんの素材が散りばめられていてそれらが関連して楽曲がどんどん進んでいくっていうこういう音楽が最近とってもツボですね。
去年『R Plus Seven』が大ヒットしたレーベルメイトのOneohtrix Point Neverと一緒に来日するみたいなので、僕としては完全にヘッドホンミュージックのこの音楽がライブでどうなるのかとても楽しみです。